作業環境測定機関 労働安全衛生コンサルタント事務所 専門家による石綿分析

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石綿含有建材の見分け方

  
 このコーナーは平成25年度 環境研究総合推進費補助金 K123108「災害廃棄物の処理における石綿の適正管理に関する研究」の研究成果を元に作成しました。
 
 
内容
1. 使い方   
2. 石綿含有建材の見分け方のポイント  
3. 主な石綿含有建材
  レベル1の石綿含有建材(吹付け材) レベル2の石綿含有建材(断熱材等)
  スレート 
  窯業系サイディング 押出成形セメント板
  ケイ酸カルシウム板第1種 せっこうボード
  ビニル床タイル ビニル床シート
  ロックウール天井吸音板
 
 
1.使い方
 
 石綿(アスベスト)はこれまでにおよそ1千万トン輸入され、その8割以上が建材に使用されました。石綿の輸入のピークは1970年代から80年代までの20年間におよび、ほとんどの石綿含有建材は建物に残されており、解体時に破砕などによって石綿の細かい粉じんが飛散し、作業する人や周辺の人々に被害をおよぼす可能性があり、法律で規制されています。石綿含有製品は、吹付け材(レベル1)、断熱材、保温材、耐火被覆板など(レベル2)、成形板等(レベル3)のように分類されます。レベル3にあたるスレート板、押出成形セメント板、窯業系サイディングのセメント系建材が石綿含有製品としては最も多く、大半を占めますが、これらは規制が弱く、飛散防止対策が十分にとられずに重機などで破砕されていることが報告されています。
 本書では、実際に建物の解体作業に従事する皆さんが、建物の解体・改修の現場で石綿含有の可能性のある建材を取り扱うときに、石綿含有の可能性を自分である程度判断し、危険がある場合に自ら必要な防護をとることをめざして作られました。もしも現場で、レベル1、2にあたる建材が発見された場合は、正規の分析を経なければ除去などはできません。レベル3にあたる建材が発見された場合は、「含有なし」として扱うためには正規の分析を経なければなりませんが、「含有あり」として対策をとれば除去することができます。建材などの石綿含有の有無は、高倍率の顕微鏡でなければ判断できないものもありますが、セメント系の建材については、目視とルーペでの観察で含有の有無が判断できるものがほとんどです。この冊子では、現場でルーペを使って、主にセメント系建材の石綿含有の有無を判断し、積極的に対策をとることによって、作業する人と周辺での石綿を吸ってしまうことを予防することをめざします。
本書を使う利点
・外観から建材の種類を見分けることができる。
・見逃されているレベル1、2について分析し、対策を促すことができる。
・レベル3のうちセメント系建材などについて、含有ありの判断をして、対策をとることができる。
・レベル3のその他の建材について、分析またはみなし工事などの対策を促すことができる。
 
 
2.石綿含有建材の見分け方のポイント
 
1)見分けられる建材
 この方法で見分けられる建材は、セメント系建材である波板スレート、平板スレート、窯業系サイディング、押出成形セメント板の4種類とけい酸カルシウム板(第1種)です。これら以外の建材の石綿含有の有無は通常はルーペではわかりません。また「含有なし」の判定をすることはできません。「含有なし」とするためには正規の分析が必要です。
2)試料の採取
 試料の採取の際には、対象となる建材は石綿含有を前提として、飛散防止の対策をとります。飛散防止対策は、水で湿潤化を必ず行い、必要に応じて、部分的に養生をして、周辺への飛散を防止します。区分3(RL-3またはRS-3の取替え式防じんマスク)以上の呼吸用保護具と手袋を着用します。防護を確認し、カッター、のこぎり、ペンチなどで試料の断片を取ります。必要な試料の量はわずか(1cm角程度)で十分です。
3)観察
 観察にはルーペを使用します。写真1の3枚のレンズを使用した高倍率のルーペを使うと観察が容易です。採取した試料の破断面をルーペで観察します。この時に試料にルーペを近づけ、さらに眼もルーペに近づけて観察することで、視野を広く大きな画像を観ることができます。また十分な光線の下で観察することも重要で、直射日光か懐中電灯などの光を直接試料にあたるようにします。ヘッドランプ式の強力なLED電灯かライト付きルーペが適切です。


 
 
4)判定
石綿含有ありの判断
 試料の新しい破断面を観察して下記の特徴が観られる場合、石綿含有ありと判断します。
 ①試料の断面から白く輝く繊維の束が出ている。(クリソタイルの場合)
  試料の断面から青い繊維の束が出ている。(クロシドライトの場合)
  試料の断面から茶色または金色の繊維の束が出ている。(アモサイトの場合)
 ②繊維の束の太さ、長さ、場所が不規則にみえる。
 ③繊維の束を釘などで触ると、曲がり、先が広がる。
  (クリソタイルは顕著、クロシドライト、アモサイトは折れて細かく分離する場合もある。)
 石綿以外の繊維(石綿代替繊維)を使用しているものは、一見すると石綿以外の繊維だけを使用しているように見えるものの、少量の石綿を含むものもあり、特に注意が必要です。
 次に石綿含有あり、なしの代表的な建材の拡大写真を示します。これらを参考にしながら、石綿含有ありの建材を特定することができます。  
 
 


3. 主な石綿含有建材
  レベル1の石綿含有建材(吹付け材) レベル2の石綿含有建材(断熱材等)
  スレート 
  窯業系サイディング 押出成形セメント板
  ケイ酸カルシウム板第1種 せっこうボード
  ビニル床タイル ビニル床シート
  ロックウール天井吸音板
 

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